Tableau Desktop 基本のグラフ(9) 〜シンプルヒストグラムと双方向ヒストグラム

Tableauを利用すると、直観的なインタフェースで様々な目的に応じたグラフを描くことができます。

本ページではデータの度数(頻度)を把握するためのヒストグラムを紹介します。

ヒストグラムはひとつの軸が階級、もうひとつの軸が度数に相当し、各階級の度数が棒グラフで表されるデータの分布を理解するのに適したグラフです。

以下では縦方向に度数を表示するシンプルなヒストグラムと、縦横双方向にヒストグラムを表示するマージナルヒストグラムに分けて作成方法を紹介します。

シンプルなヒストグラム

実際にスーパーストアの注文データを利用して、ヒストグラムを作成してみます。

やってみよう!

利益額ごとに注文件数のヒストグラムを作成し、どの程度の利益の注文がどのくらいあるのかを調べてみましょう。

【完成図】
以下のような図を作成します。
Tableauで作成されたヒストグラム
本VizはTableau Publicに上げています。

【作成方法】

  1. データペインの「利益」を右クリックして、メニューから「作成」-「ビン」を選択します。
    Tableauでビンの作成
    ビンの編集で「ビンのサイズ」を「5000」にしてみます。
    (後で調整可能なので、まずは5000円間隔毎の件数をみたいと思います。)
    Tableauでビンのサイズを編集
  2. 新たに作成された「利益(ビン)」を選択して、列にドラッグ&ドロップします。
    Tableauで利益のビンを列にドラッグ&ドロップ
  3. 次にデータペインの「注文(カウント)」を選択して、行にドラッグ&ドロップします。
    ちなみに、「注文(カウント)」とテーブルのレコード数を指しています。Tableauが自動で用意してくれるフィールドになります。
    注文を行にドラッグ&ドロップ
    ヒストグラムが表示されましたが、グラフが右側に偏っています。
  4. グラフが中央に表示されるように調整していきます。
    列の「利益(ビン)」を右クリックして、メニューから「連続」を選択します。
    ビンを不連続から連続に変更
    すると列の「利益(ビン)」が青色(不連続)から緑色(連続)になりました。
    行と列共に不連続に設定
    列の「利益(ビン)」の右端をクリックして、メニューから今度は「フィルターを表示」を選択します。
    列のプルダウンメニューから「フィルターを表示」を選択
    右上にフィルターが出現しました。
    フィルター付きヒストグラム最頻値周辺にフォーカスするように、フィルターの幅を狭めます。例えば-10から10にしてみます。
    Tableauでフィルターの幅を調整
    グラフが中央に表示されるようになりました。
    Tableauで作成されたヒストグラム
  5. 最後に各棒グラフの上に割合(%)を表示します。
    行の「カウント(注文)」を⌘キー(WindowsではCtrlキー)を押しながらマークのラベルにドラッグ&ドロップします。
    Tableauで行からマークのラベルへドラッグ&ドロップ
    さらにマークの「カウント(注文)」を右クリックしてリストから「簡易表計算」-「合計に対する割合」を選択します。
    Tableauで合計に対する割合の計算
    完成しました!
    Tableauでヒストグラムの作成
    利益が0円から5,000円以下の注文が最も多く、全体の58%を占めていることが分かります。

列を「連続」に設定してフィルターで調整すると表示範囲を自由に調整できるようになります。

【ビンの幅の調整】

一旦ヒストグラムを作成すると、特定の階級に頻度が集中するヒストグラムや、逆にどの階級でも似たような頻度のヒストグラムになっていることがよくあります。

例えば上の例では、利益が0円から5,000円以下の注文数が極端に多いので、もっとその内訳を細かく見てみたくなります。Tableauではそのような場合にもビンの幅を調整してグラフを再表示することが気軽にできます。

上の例でビンの幅を変更する方法を紹介します。
データペインの「利益(ビン)」を右クリックしてリストから「編集」を選択します。
Tableauでビンの編集
ビンの編集で「ビンのサイズ」を「1000」にしてみます。
Tableauでビンの編集
階級幅が狭くなり、利益が1,000円刻みで表示されるようになります。
Tableauでヒストグラムの作成
利益が0円から1,000円以下の注文が最も多く、全体の38%を占めていることが分かります。
さらに利益が-1,000円未満の赤字も10%あることにも気付きます。

ヒストグラムは階級幅を試行錯誤して調整すると多くの気付きが得られそうです。

ヒストグラムの階級幅をパラメーターを利用してインタラクティブに調整可能なVizにすることもできます。作成方法は以下で紹介しています。

LODを利用した注文回数別顧客者数のヒストグラムの作成方法は以下で紹介しています。

双方向のヒストグラム

上記では縦方向に度数を表示するシンプルなヒストグラムを紹介しました。
今度は縦と横の双方向にヒストグラムを表示するマージナルヒストグラム(marginal histogram)を作成する方法を紹介します。

マージナルヒストグラムは度数(頻度)を2種類の観点から集計したい場合に適したグラフです。
例えば、顧客数を曜日別と時間帯別に集計したい場合、利用者数を月別と日にち別に集計したい場合等に威力を発揮します。

実際にスーパーストアの注文データを利用して、ヒストグラムを作成してみます。

やってみよう!

注文数を月別と曜日別に集計したマージナルヒストグラムを作成してみましょう。

【完成図】
以下のようなVizを作成します。
Tableauでマージナルヒストグラム(marginal histogram)を作成
曜日別と月別に注文数の多い時間帯が色濃く表示されています。
本VizはTableau Publicに上げています。

【ポイント】
マージナルヒストグラムは
①上側のヒストグラム
②中央のヒートマップ
③右側のヒストグラム
の3つのパーツから構成されています。

一つ目のポイントは、シートを作成する際に、中央のヒートマップの縦軸と右側のヒストグラムの縦軸、中央のヒートマップの横軸と上側のヒストグラムの横軸をそれぞれ一致させる点です。
本例題で言えば、縦軸は月、横軸は曜日で統一します。

二つ目のポイントは、それぞれ別々にシートでチャートを作成した後に、ダッシュボード上で合体する点です。ダッシュボードで上下2段で以下のように配置します。

ダッシュボード上のレイアウトの基本は以下でも紹介しています。

それでは早速作成してみましょう。

【作成方法】

  1. まず最初に中央のヒートマップから作成していきます。
    データペインの「オーダー日」を列にドラッグ&ドロップにして、リストから「詳細」-「曜日」を選択します。

    データペインの「オーダー日」を行にドラッグ&ドロップにして、リストから不連続の方の「月」を選択します。

    データペインの「注文(カウント)」をマークの色にドラッグ&ドロップします。

    月&曜日別のヒートマップが完成しました。
  2. 次に右側のヒストグラムを作成します。
    データペインの「注文(カウント)」を列にドラッグ&ドロップ、「オーダー日」を行にドラッグ&ドロップにしてリストから不連続の方の「月」を選択します。

    データペインの「注文(カウント)」をマークの色にドラッグ&ドロップして、マークのタイプを「棒」に変更します。


    月毎の注文数を表すヒストグラムが完成しました。
  3. 次に上側のヒストグラムを作成します。
    データペインの「オーダー日」を列にドラッグ&ドロップしてリストから「詳細」-「曜日」を選択、「注文(カウント)」を行にドラッグ&ドロップにします。

    データペインの「注文(カウント)」をマークの色にドラッグ&ドロップします。

    曜日毎の注文数を表すヒストグラムが完成しました。
  4. 最後に作成した3つのシートをダッシュボード上に配置します。
    2段のダッシュボードの上段から作成していきます。
    まずは垂直方向、次に水平方向のオブジェクトをドラッグ&ドロップします。さらに上側のヒストグラムとその右に空白をドラッグ&ドロップします。

    以下のようになります。

    次は下段の作成です。
    上段の下に水平方向をドラッグ&ドロップします。さらに中央のヒートマップとその右に右側のヒストグラムをドラッグ&ドロップします。

    凡例を削除します。

    全てのシートのタイトルを非表示にします。

    不要なフィールド名は非表示にします。

    シートの位置を微調整して完成です!
    Tableauでマージナルヒストグラム(marginal histogram)を作成
    曜日別では木金土日、月間では5月に注文数が多いことが分かります。

本ページではデータの度数(頻度)を把握するためのヒストグラムを紹介しました。

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